なぜ足はむくみやすいのか?
むくみとは、医学的には「浮腫(ふしゅ)」といって、余分な水分が溜まった状態のことです。ヒトの身体では、心臓から送り出された血液が、動脈を通って全身に運ばれます。その血液中の血しょう成分が細胞間液となって、細胞に栄養や酸素を運ぶのです。
そして、細胞に、栄養や酸素を運び終えた細胞間液は、細胞でいらなくなった老廃物や二酸化炭素を回収して、再び、血しょう成分となって静脈を通って心臓に戻るほか、一部がリンパ管に流れ込み、最終的には静脈と合流します。
この際、静脈やリンパ管の流れがスムーズではない場合、細胞間液は戻ることができずに溜まってしまうため、むくみが起こるのです。足は、心臓から遠く、さらに心臓よりも下にあるため、重力の影響を受けることで循環が悪く、特に、むくやすいといわれています。
足がむくみやすい人の特徴・条件
以下のような条件が当てはまる人は、足がむくみやすいといわれています。
- 運動不足
- 長時間、同じ姿勢を続けることが多い
- 睡眠不足
- 疲れやすく、だるい
- 食べものは、塩辛い味付けが好き
- 週3回以上はお酒を飲んでいる
運動不足と足のむくみの関係
足の静脈やリンパ管の流れを助けているのが、「第二の心臓」とよばれるふくらはぎ。ふくらはぎの筋肉が、心臓と同様に、ポンプのような働きをすることで、静脈やリンパ管の流れをスムーズになるのです。
ところが、運動不足によってふくらはぎの筋力が落ちると、ポンプ機能がうまく働かなくなるので、むくみやすくなってしまいます。また、立ちっぱなしや座りっぱなしなど、長時間、同じ姿勢でいると、ふくらはぎのポンプが休止状態になるため、むくみにつながるのです。
足のむくみにつながる食習慣や生活習慣の乱れ
ストレスや疲労、睡眠不足などによって自律神経が乱れることで、体の調整機能が影響を受け、むくみを引き起こすことがあります。また、塩分やアルコールの摂りすぎも、体内の水分バランスが崩れるため、むくみにつながります。
十分な睡眠には、長時間横になることで、足の静脈やリンパ管の循環を助ける役目もあります。日頃から、短時間しか眠らない生活が続くと、翌朝になってもむくみが解消されないため、さらに、むくみがひどくなっていくのです。
むくみを伴うだるさは体のSOS
単なる疲労ではなく、病気が原因となって感じるだるさに、むくみを伴うものがあります。 心臓・肝臓・腎臓に関する病気の進行や、また、貧血やがん・白血病の初期症状が考えられるため、むくみとともに、今までに感じたことのないような疲労感やだるさを感じた場合は、注意が必要です。
簡単リンパマッサージの方法とは?
リンパマッサージに必要なことは、「さする」と「押す」の2つだけ。 手のひらでやさしく包み込み、リンパの流れにそって軽くなでるように「さする」ことで、リンパの流れが良くなります。また、リンパ管の中継点となっているリンパ節を軽く「押す」ことで、リンパの流れを助けることができます。
ステップ1~足裏・足の甲
両手で包み込むようして、親指で足裏全体を、軽く押していきます。同様に、足の甲全体も、両手の親指で押していきます。(左右それぞれ10秒ずつ)
ステップ2~ふくらはぎ
足首からひざ裏にある「膝窩リンパ節」に向かって、両手で交互にさすります。(左右15秒ずつ)
ステップ3~膝窩リンパ節
ひざ裏部分を3秒ほどかけて、やさしく押します。また、3秒ほどかけて、ゆっくり離します。
ステップ4~太ももの内側
ひざから足の付け根にある「鼡径リンパ節」に向かって、両手で交互にさすります。(左右15秒ずつ)
ステップ5~鼡径リンパ節
足のつけ根を外側から内側に向かって、軽くさすります。(左右3回ずつ)
いかがでしたか?本当に簡単にできるので、ぜひ実践してみてください。お風呂上りで体がポカポカしている時にやればより効果的です。簡単リンパマッサージでむくみにサヨナラしませんか?