足の見た目を最悪にする上に痛い巻き爪の予防法
人間の爪は動物のそれと比べると頼りなく儚げなものです。しかし、指先を守ることや力仕事をするときの支えとしてはこれ以上ない程に心強い、まさに縁の下の力持ちなのです。そんな大事な爪に対して、私たちは無頓着に扱っていたといえます。その結果発生するのが「巻き爪」なのです。
巻き爪とは
巻き爪は、緩やかなカーブを描きながら伸びていく爪が、指の骨側に向かってひどく湾曲しながら伸びていった状態のことで、「彎曲爪」とも言います。また、爪の両端が棘状に伸びて、指の肉に深く食い込むタイプの巻き爪を「陥入爪」と言います。
彎曲爪は正面から見ると、アルファベットのＣのように端が急激に湾曲しているのが特徴です。陥入爪は両端の先端部分が肉に食い込んでいるため一見すると正常に見えますが、両端がぴったりと指に密着していることに気付くはずです。
また、彎曲爪と陥入爪は合併して発生する場合があります。
巻き爪を放置しておくとどうなる？
彎曲爪だけの場合、そのまま放置しておいても痛みや不便は起きにくいようですが、陥入爪の場合は話が違ってきます。陥入爪は肉に尖った爪が食い込んでいるため、時に出血を伴うことがあります。出血まではいかなくても、歩くたびに爪の食い込みが増すので、歩行困難になってしまうことさえあります。
陥入爪がひどくなると、食い込んでいる部分に雑菌が侵入して化膿を起こし、肉芽種と呼ばれる出来物に発展してしまうことがあります。肉芽腫は命に関わるというわけではありませんが、見た目は最悪に近い出来物の上に、手術しなければ除去出来ないものなのです。
巻き爪の原因を知って予防する
巻き爪は自然に発生するものではなく、人為的な原因で発生するものです。巻き爪を起こさないためには、どのような原因で発生するのかを知っておくことが大事です。
深爪で起こる
爪の見た目を整えようとして、爪やすりや爪切りを手に悪戦苦闘している内に深爪してしまった、という経験がある人は少なくないでしょう。このような深爪も、巻き爪の原因の一つなのです。
深爪すると、爪は切った部分から盛り上がりながら伸びていきます。指に沿って伸びて行けばよいのですが、指にぶつかるようにして伸びると、彎曲爪や陥入爪になってしまうのです。
靴のつま先が狭い
女性の靴は履き心地よりも見た目を良くする方向に偏りがちなため、足に多大な負担を掛けてしまいます。足の指が大きく変形する外反母趾も、このような靴が足に与える負担が原因になっているのです。
そして巻き爪も靴が原因の一つとなります。例えば、靴の爪先が急に狭まっているような形の靴は、親指と小指の両側から強い圧力が掛かっています。爪は思っている以上に柔らかいため、両側から強く圧力を掛けられると変形して彎曲爪になってしまうのです。
爪の切り方が悪い
爪が伸びたら切るのは当たり前のことですが、切り方が悪いと陥入爪の原因になってしまいます。爪の両側だけを深く切って、爪全体を楕円状に仕上げた方が爪の見た目が良さそうに感じますが、深く切った分だけ綺麗に伸びなくなってしまうのです。爪は曲線で切るのではなく、まっすぐ四角に切るフラットカットの方が陥入爪になりにくいのです。
巻き爪になったらどう治療する？
いろいろ予防策を講じていても巻き爪になる時はなってしまうものです。彎曲爪の場合は、ある程度爪を伸ばして、両端近くに穴をあけて形状記憶合金性のワイヤーを通して爪を起こすようにして矯正していきます。または、爪が曲がりだした部分をやすりで削って薄くして矯正する方法もあります。
陥入爪の場合、爪を引き起こして肉に刺さっている部分を切って、コットン（綿花）を食い込んでいた部分に詰め込みます。肉芽腫に発展している場合は肉芽腫の摘出と食い込んだ爪のカットを行って治療します。