足の病気である下肢静脈瘤
足の静脈が瘤のように膨らんでしまう症状のことを下肢静脈瘤と言います。この下肢静脈瘤は良性の病気なので、命に関わるといった心配はありません。しかし、足のむくみなどと言った瘤以外の症状が出る場合もあります。今回は、そういった下肢静脈瘤の症状についてご紹介します。
下肢静脈瘤ってなに?
本題に入る前に、下肢静脈瘤について軽く触れておきましょう。静脈には、血液の逆流を防いでくれる「静脈弁」が存在します。この弁があることによって、血液は逆流することなく正常に流れているのです。しかし、この静脈弁は繊細で壊れやすいため何らかの理由によって壊れてしまう場合があります。そして、弁が壊れてしまった静脈は逆流を起こして、血液が溜まり血管が膨張、変形してしまいます。この膨張した血管が皮膚の表面に瘤のような状態になってあらわれてしまうことを下肢静脈瘤と言います。そして、この下肢静脈瘤の発症のサインこそこれからご紹介する、足の症状なのです。
下肢静脈瘤の症状
下肢静脈瘤の症状はほとんどがふくらはぎにあらわれると言われています。足に血液がたまることによって引き起こされるので、特に午後から夕方にかけて症状が強くなってくるのです。そのため、夕方あたりになると足がむくむ、マッサージなどを行っても足の疲れがとれない、といった場合は下肢静脈瘤の可能性も。ただし、これからご紹介する足の症状は変形性膝関節炎、脊柱管狭窄症といった別の病気でもあらわれる場合があることに留意してください。症状に心当たりがある、心配だ、という方は一度、専門医を受診することをおすすめします。
見た目の症状
下肢静脈瘤は、ぱっと見で症状がわかる場合があります。特に太い血管に静脈瘤が出来ている場合は、ぐねぐねと蛇行した血管がぼこぼこと浮き出ているということも。見た目からして正常な血管の状態ではないということが分かるのでとても不安な気持ちになることも。また、細い血管が網目状やくもの巣状に広がって目立つといった場合もありまず。
特に血管が目立つ場合は、見た目が気になって女性の場合はスカートや丈の短いズボンが履けなかったり、人前で足を見せることができないという弊害があります。
自覚症状
基本的に足の症状は、静脈瘤によって足がうっ血してしまうことによって引き起こされます。そのため、静脈瘤になっている場合は、ふくらはぎのだるさ、足の重み、痛みを感じる。足がむくんだり、疲れやすいといった症状が出ます。さらに、足のこむら返りや、足がほてるといった場合もあります。
また、静脈瘤の部分が赤いしこりになるということも。これは、下肢静脈瘤によって、血液が停滞してしましそこに血栓ができて、まわりが炎症を起こしてしまっているという状態です。この状態のことを血栓性静脈炎と言います。
重症化している症状
また、静脈瘤が重症化していると湿疹がでたり、脂肪皮膚硬化症といった「うっ滞性皮膚炎」といった病気を合併してしまいます。このうっ滞性皮膚炎は、下肢の血行障害によって膝下に生じる慢性の皮膚炎のことです。症状としては長時間たち仕事をしていたり、たくさん歩いた日の夜に膝下がむくんで、翌朝にはむくみが改善しているというものがまずあらわれます。このむくみを繰り返すことによって、皮膚が光沢を帯びて、だんだんと色素沈着が起こり始め、さらに症状が進むと皮膚の表面にカサブタができ、かゆみのある紅斑があらわれて次第に大きくなっていきます。ここからさらに悪化していくと、潰瘍になってしまうことがあるのです。
この皮膚炎や潰瘍を合併してしまっても、静脈瘤の治療自体は受けることができます。しかし。皮膚炎の跡が残ったり、回復が長引くといったリスクがあるので、皮膚炎を起こしてしまう前に治療を受けたほうが良いと思われます。
命に関わる病気ではないが
下肢静脈瘤の症状は、ふくらはぎを中心として様々なものがあるということがわかりました。むくみ、足の疲れや痛みから、ひどい場合は皮膚炎や血栓の合併などなど。下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありません。しかし、症状があった場合は深刻化する前に一度、お医者さんを受診したいですね。
出典:
http://www.asamikekkan.jp/kasijyoumyakuryuutoha.html
http://www.think-vein.jp/about2.html
http://www.tokyokekkan.com/object_disease/
http://health.goo.ne.jp/medical/10O11300