30代にでも起こる膝の痛み
まるで老化が原因のように言われる膝の痛みですが、20代や30代でその痛みに苦しんでいる人は少なくありません。
一説で5人に1人の割合で膝に痛みを抱えていると言われています。
そもそも、なぜ膝が痛むのでしょうか?
骨がぶつかると膝が痛む
重なり合った骨の間には、動く時に衝撃を吸収するクッションとなる『関節軟骨』という骨があり、この軟骨に異常があると、膝の痛みとなって現れます。
しかし、この軟骨そのものに神経はありませんので、痛みを感じません。
ではどこが痛むのかというと、その『軟骨が支える骨』が痛みを訴えます。
この骨がこすれる事を原因とする痛みは『変形性膝関節症』と呼ばれ、慢性関節リウマチとともに一般的な膝のトラブルとして知れています。
関節軟骨がすり減る原因
この関節軟骨がすり減ってくると、骨への衝撃が受け止めきれずに痛み出してきます。
それでは、なぜ関節軟骨はすり減ってしまうのでしょうか?
アスファルトは膝への負担が大きい
生活の中で、土の様な柔らかい地面の上を歩く事はほとんどなく、固いアスファルトの上を移動する事がほとんどでしょう。
歩行時、自分の体重を一点で支える膝には、平地でさえ瞬間的に体重の3倍。
ランニング時には5倍もの衝撃がかかると言われています。
しかも、ヒールやパンプスを履いているのであれば、スニーカーのように衝撃を吸収せず、膝に全ての負担がかかってきます。
ウォーキングやランニングはほどほどに
健康の為にウォーキングやランニングを行うのは間違っていません
。
脚の筋肉を鍛える事は膝への負担を和らげることにもつながります。
ただしアスファルトの上を走るのであれば、30分ごとに休憩をはさみ、ストレッチを行う事で関節軟骨の負担を減らす事を意識してください。
O脚、X脚は膝への負担が大きい
O脚、X脚は本来、関節軟骨が『面』で支えて負荷を分散させている膝を『点』で支える事になり、その分負荷が集中してしまいます。
負担が大きくなれば、それだけ関節軟骨の摩耗が早くなり、変形性膝関節症を加速させる要因となるでしょう。
足に合わない靴は負担が大きい
人間には元来『土踏まず』という天然の衝撃吸収装置が備わっています。
しかし、足に合わない靴を履き続ける事で、土踏まずは徐々になくなり、『偏平足』という衝撃を吸収できない足になってしまいます。
膝への過度な負担は、全て関節軟骨を減らす原因になる
他にも、『激しいスポーツ』、『体重の増加』、『崩れた体のバランス』なども、膝への負担を増やす原因となってしまいます。
関節が痛い時の対処法
膝が痛み始めた時は、速やかに整形外科のある病院で受診するのが良いのですが、いつでも病院に行けるわけではありませんよね。
また、膝が痛む原因は一つではありません。処置を間違えると余計に痛みが増す事がありますので注意が必要です。
まずは安静にする
痛みがある時は、ひとまずは安静にして痛みが引くのを待ちます。
痛い状態で無理に動かすと症状が悪化する危険がありますし、疲労が原因で痛むのであれば徐々に落ち着いてくるでしょう。
いつまでたっても痛みが治まらないのであれば、疲労以外の原因で膝が痛んでいる可能性が高いので、早めの受診を心掛けてください。
突然の痛みは『冷やす』
急に膝が痛み出した場合は、『関節の周辺で炎症を起こしている事が考えられます』。
膝を冷やすことで炎症を抑え、痛みを鎮める事が出来ます。
慢性的な痛みには暖める
膝は薄い皮膚の下に関節がある為に冷えやすく、血管が細くなって老廃物が溜まりやすくなっています。
寒い朝や、クーラーの効いた仕事場にいると膝が痛み出すのはこのためです。
こういった慢性的な痛みの場合は、膝を暖める事で血管を拡張し、老廃物を流すことで痛みを和らげることが出来るでしょう。
膝関節痛にならない為に
最後に膝の関節痛を予防、あるいは痛みを和らげる方法を紹介します。
コンドロイチンを取る
ギリシャ語で『軟骨』を意味するのが『コンドロイチン』ですので、関節と関係が無いわけはありません。
軟骨の中には、関節を動かす時にスムーズな動きを助ける関節液が充満しています。
この関節液を関節軟骨の中にとどめておくのが、『コンドロイチン』で、特に軟骨がすり減る事で起こる『変形性膝関節症』に効果があるとされています。
食事で摂取するには、納豆やオクラといったネバネバした物の中に多く含まれていますが、最近ではサプリが簡単に手に入るようになりましたので、そちらを使った方が手軽でしょう。
太ももの筋肉を鍛える
膝を安定させるには、大腿四頭筋と呼ばれる太ももの筋肉が重要になります。
太ももを鍛える事で膝を固定し、負担を減らせることが出来ます。
太ももの鍛え方
ウォーキングでも良いのですが、より膝に負担を掛けない鍛え方を紹介します。
- 椅子に浅く腰掛ける
- 足が床と水平になるように、膝を伸ばす。
- そのまま5秒間キープ
- ゆっくりと足を下ろす。
この2~4を毎日、無理のない範囲で繰り返してください。
この時、イスに腰掛ける深さで、足にかかる負荷が変わってきます。
またこの程度で満足できないのであれば、足の先に重りをつける事でより強い負荷をかける事も出来ます。
ただし、途中で痛み出した場合などはトレーニングを中断し、無理はしないようにしてください。